福島県に存在するJリーグチーム
いわきFC
福島ユナイテッドFC
福島県にはJリーグチームが2つ存在。以前は福島ユナイテッドが福島のJリーグチームとして台頭していたのだが、他を圧倒する速度でメキメキ成長したいわきFC。
2023年シーズンからはいわきFCがJ2で、福島ユナイテッドFCがJ3で戦う。本稿では片方のみと言わず、両チームにフォーカスを当てる。
北海道・東北のスタジアム
いわきFCについて
いつもはクラブ紹介を一部省略してスタジアムについてのみ言及しているのだが、この記事についてはいわきFC自体についても言及させていただく。
創設されたのは2012年。2013年に県社会人リーグ3部参入。2015年に株式会社ドーム(厳密にはドーム傘下に設立した株式会社いわきスポーツクラブ)が運営権を引き継ぎ、以後怒涛の快進撃をみせる。
ちなみに県社会人リーグ3部がどういった立ち位置かと言うと、
J1> J2> J3> JFL> 地域1部> 地域2部> 県1部> 県2部> 県3部←ココ
J1,J2みたいなカテゴリで表現するならば、J9である。
2013年 クラブ創設
2015年 県3部を制して県2部昇格(J8相当) +運営権が株式会社ドームに移行
2016年 県2部を制して県1部昇格(J7相当)
2017年 県1部を制して地域2部昇格(J6相当)
2018年 地域2部を制して地域1部昇格(J5相当)
2019年 地域1部+地域チャンピオンズリーグを制してJFL昇格(J4相当)
2020年 J3ライセンス交付(この年はJ3昇格を逃す)
2021年 JFLを制してJ3昇格
2022年 J3を制してJ2昇格
2023年 J2に舞台を移して戦う
このように、文字通りトントン拍子で昇格街道をひた走っているクラブである。快進撃の裏にはちょっとしたサポート体制がある。
かなり端折るが、アンダーアーマーの代理店株式会社ドームと当時湘南ベルマーレの代表取締役であった大倉智がタッグを組み、いわき市内に設立したドーム物流ベース敷地の一角にいわきFCの拠点を構えた。
J3やJFLですらアマチュア契約の選手がいる。当然ながらアマチュアレベルの契約だと選手として生きていくのは難しく、一般の会社で働く社会人兼選手といった形をとるのが一般的。いわきFCのアマチュア契約選手も同様ではあるが、選手は練習場の隣に位置するドームの物流倉庫契約社員としても働く、いわゆる社員選手。雇用面もサポートされていたのである。
2017年に開業した商業施設複合型のクラブハウス。17年はまだ県1部。とてもではないが県1部レベルのクラブハウスではない(良い意味で)。J1レベルでも恐らくこの規模未満のクラブハウスは少なくない。
トレーニング施設の充実具合は他の上位カテゴリクラブと肩を並べるレベル。栄養面もスポンサーからのサポートが入っていて更にトレーニング施設が充実。そこから導き出される答えは、
選手のマッチョ化である。
いわきに来る選手がどんどん増強していき、フィジカル面がとてつもなく鍛えられた。ちょっとレベル違いすぎないか。なおJFL参入と同時に契約選手全員とプロ契約を結び、社員選手は在籍しないこととなった。
いわきFCの快進撃はただ選手が強かっただけではなく、運営会社や関連企業、スポンサーからの手厚いサポートがあってこその快進撃であることは忘れてはならない。
ちなみにクラブハウスは商業施設複合型のため、アンダーアーマー直営店やカフェも併設されている。カフェで一息入れながら選手が成長していく姿を眺めることができる。
語りだしたらキリがないので、ここらで本題のスタジアムの話へ戻る。
スタジアム(いわきFC+福島ユナイテッドFC)
前置き
本来であればいわきFCフィールドについても書く予定でしたが、福島ユナイテッドの分と合わせるとかなり長い記事となってしまうため、ここ数年来で使用しているJヴィレッジスタジアム及びいわきグリーンフィールドの2つを書きます。
Jヴィレッジスタジアム
モンテディオ山形ホームスタジアムのコンディション不良に伴い急遽この会場が割り当てられたり、福島ユナイテッドが定期的にこの会場で試合をしていたのだが、現在はいわきFCがメインスタジアムとして使用している。現在でも稀に福島ユナイテッドが使用したりしなかったり。
非常に簡素な作りであることは否めないが、趣(遠回しな表現)があってよき。スコアボードはチーム名と両チームの得点(+時間)しか表示できない。
また座席割当にも少々癖があり、
ゴール裏の座席割当はなし。ゴール裏は先程の画像でも座席無さそうだなとは思ったが、入場ゲート側の芝生も現在は座席扱いはしていないらしい。つまり観戦できるスペースはメインスタンド側かバックスタンド側かの2つ。スタジアムの仕様上致し方がないのだろうが、なかなか珍しいスタジアムである。
スタジアム概要
- 開場:1993年(2018年改修)
- 収容人数:5,413人
- 最寄り駅:Jヴィレッジ駅(常磐線) 徒歩15分(厳密には10分)
アクセス
最寄り駅から徒歩15分か…と思ったのだが、
よく見たら歩道橋あるじゃん。Googleマップでは外周をグルっと回るルートしか表示されなかったが、この歩道橋を使えばおおよそ10分程度になる。
ただしJヴィレッジ駅に特急は停車せず(手前の広野駅では停まる)、空港からもかなりの距離がある。アウェー民にはちょっと難易度の高いスタジアム。ちなみにJヴィレッジ駅はSUICA対応。原則無人駅でイベント時にのみ窓口が開く。
眺めは意外と悪くない
施設自体はかなり簡素だが、観戦スペースは程よい傾斜があり悪くない。球技専用スタジアムのため外周にトラックフィールドもなく、ピッチとの距離も意外と近い。
というよりこの程よい傾斜をゴール裏の芝生にも適用させたから芝生席使えないんだろうな。
芝生席でこの傾斜だと、うっかり転けたら冬場なら雪だるまになりかねない。
雨具必携
案の定雨具は必携。メインスタンド側の一部しか屋根に覆われていないため、雨に降られると大部分の座席で雨具が必要となる。ただしメイン中央の屋根は比較的大きめのため、メイン中央であれば恐らく強風でも無い限り濡れることは無さそう。
屋根が大きいと捉えるか、メインスタンドが小さいと捉えるかはご自由にどうぞ。
スタジアム(いわきFC)
いわきグリーンフィールド
いわきFCがメインスタジアムとして利用しているスタジアム。
なお現在は改修工事中のため、2023年以降はスタジアムの仕様が大幅に変わる可能性があるため注意。
スタジアム概要
- 開場:1995年4月
- 収容人数:約5000席(※改修前後でやや異なってくるため曖昧にしておきます)
- 最寄り駅:湯本駅(常磐線) 徒歩約30分
ライセンス問題
上位カテゴリのライセンスの基準(主にスタジアム要件)を満たしていないため、現在は改修工事中である。今から紹介する内容は改修前の内容であるため、来年度以降は恐らく仕様が大幅に変わる。
照明関連やスコアボードも恐らく変わってくる。そのためあくまでも備忘録として記事を残しておく。
アクセス
徒歩30分か…。
上記のサイトでは徒歩22分と書いてあるため少々迷うところ。もしかすると多少なりショートカット出来るのかもしれないが、徒歩アクセスはできたら避けたい。
なお路線バスについてだが
上記の通り絶望的な時刻表となっていた。というより土日はバスが走ってない。実質地元高校向けのバスだから致し方がないか。スタジアム改修が行われたら臨時バスが出ることを期待しておこう。
試合によっては15分間隔でシャトルバスが出ていたりする。公共交通機関やシャトルバス事情は逐一変わるため、その辺は事前に調べておくことを推奨する。
スタジアム(福島ユナイテッドFC)
福島県営あづま陸上競技場
(とうほう・みんなのスタジアム)
これまた癖がすごい。2022年シーズン、芝生部分は観客席として設定されていない。つまり試合を見れるスペースはメインスタジアム側が全てである。
ライセンス問題
この度、2022シーズンに関するJ2クラブライセンスについて、クラブライセンス交付第一審機関(FIB)の判定により、福島ユナイテッドFCは不交付と決定されましたので報告いたします。
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ライセンス基準未充足内容
「育成体制(アカデミーチーム)におけるU-18チームの保有について」
理由:JFAにチーム登録は完了しているものの、所属選手の登録ならびにJFA公認の公式競技会への出場が行われていないため。ーーーーーーーーーーーーーーーー
https://fufc.jp/news/10790/
※これは2021年のリリースです。
主にアカデミー関連での問題だが、スタジアム要件の照明設備やスタジアムに付随するべき施設が整備されていないという理由。なお2022年については、アカデミーの活動があることが証明されたため、スタジアム等に関しては今後改修するという前提で、J2クラブライセンスが交付された。
これでJ2昇格のための準備は整った。あとはJ3で結果を残すだけ。
スタジアム概要
- 開場:1994年
- 収容人数:21,000人 ※Jリーグ利用時は芝生席を利用しないため6,500人弱
- 最寄り駅:南福島駅(or福島駅) 徒歩2時間強
アクセス
絶対にバスかタクシー使え。
夏場に歩いてみなさい死んでしまいますよ。サッカー1試合フル出場で10km前後の距離を走ります。この走行距離を片道で上回る距離。シーズンによってはシャトルバスが出ていないこともあるため、一般の公共交通機関(バス)や定額タクシーを使うことになる。
福島駅→あづま総合体育館(スタジアム最寄り)の時刻表は次の通り
あづま総合体育館(スタジアム最寄り)→福島駅の時刻表は次の通り
スタジアム情報やアクセス面に関する情報はここから確認できる。
※現在はオフシーズンのため未掲載。来シーズンの情報が定まり次第更新されるものだと思われる。
遠めのピッチ
トラックフィールドが外周を囲んでいる上、陸上競技系の設備がメインスタンド側にある。最前列であっても選手は相当小さく見える。ただしスコアボードは大型液晶。ここについてだけは確実に他のJ3系クラブと比較しても頭一つ抜きん出る。
傾斜はほどよくあるため眺め自体は結構良い。サッカー興行利用の場合メインスタンドしか開放されないが、全体を見渡せるという面では良いかもしれない。
雨具ほぼ必携
屋根の横幅が他の陸上競技系スタジアムより大きくとられているが、この恩恵を預かれるのはメイン中央部上段のみ。コアサポは基本的にメインの両サイド側に陣取るため、雨天時はほぼ確で濡れる。屋根下なら問題無さそうだが、場所によっては見切れ席となる。
余談 あいづ陸上競技場
定期的に利用されるスタジアム、あいづ陸上競技場。詳細については省略。
メインスタンドを除き全て芝生席。メインスタンドについても規模は小さめ。随分とシンプルな作りになっているが、過去にこのスタジアムを使っていたり現在でも定期的にここで試合をしている模様。
アクセスは意外とよく、最寄りの南若松駅からは徒歩20分弱。
ただしその最寄駅へのアクセスはかなり厳しい物となっている。
鉄道にそこまで詳しくない身ではあるが、磐越西線(ばんえいつさいせん)、只見線(ただみせん)の文字を見てウッとなった。南若松駅は私鉄の会津鉄道会津線にある。
福島空港からまずはバスか鉄路で郡山駅へ、郡山駅から鉄路で会津若松駅へ、そこから更に私鉄へ乗り換えて…となる。アウェイ初心者には辛いスタジアムかもしれない。
総括
追いつけ追い越せのいわきFC
遅れをとるなの福島ユナイテッドFC
後発のいわきFCが異例(もはや異常)の勢いでJ2昇格。先発組の同県在籍福島ユナイテッドFCをカテゴリで追い越してしまった。
なおスタジアムに関しては両チームともにJ1基準を満たしていないため、結果を出したとしてもまだJ1に上がれない。
※スタジアムの大幅改修や明確な新スタジアム構想を打ち出せれば例外的に交付されるかもしれない
なお、いわきFCに関してはJ1基準を満たしたスタジアム整備計画を市と協力して計画することが発表されている。
現状でも本来であればJ2昇格ができないはずではあるが、将来的にJ2基準に則したスタジアムに整備することを約束した上で例外適用申請を行い、J2ライセンスの交付が行われた。
仮にスタジアムを整備するとなれば恐らくJ1を基準に作られると思われるため、今後いわきグリーンフィールドが劇的に変化することが見込まれる。
対する福島ユナイテッドFCは遅れを取っているものの、過去に福島市内に新スタジアム計画が上がっていた。
ただ昨今は新スタジアム構想自体は頓挫しており、まずはとうスタの改修から進められている。
破竹の勢いでのし上がってきたいわきFC。若干遅れを取った福島ユナイテッドFC。両者のカテゴリや順位、スタジアムの差は広がるのか、縮まるのか。注目していきたいポイントである。
北海道・東北のスタジアム
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