2022年シーズンのおさらい
2022年J1リーグ
中盤~後半にかけてサンフレッチェ広島が単独2位まで上り詰めるも、最終的には横浜FMと川崎フロンターレの一騎打ちに。優勝争いは最終節までもつれた末、16節から首位をキープし続けた横浜FMに軍配が上がった。
前半戦不調続きの浦和は最終的に9位、一時は本当に降格するのではと心配されたスター軍団ヴィッセル神戸は13位に終わる。
サッカー王国と名高い静岡県勢のジュビロ磐田と清水エスパルスは、残念なことにJ2降格。清水エスパルスに至っては日本代表GKである権田修一、2022年シーズン得点王のチアゴサンタナを擁しての降格となった。J1リーグに静岡県勢のチームが不在となるのはJリーグ発足以降初の事態らしい。
(てか清水のDF陣どないなっとんねん)
昨期昇格したジュビロ磐田、京都サンガについて。ジュビロ磐田については21年シーズン堂々のJ2優勝で満を持して臨んだJ1だったが、最下位。京都サンガは前半戦好調を見せたものの、後述するJ1参入プレーオフへ回ることとなった。
2022年J2リーグ
今季J2に降格してきた横浜FCは前半戦から上位を堅持。スタートダッシュに失敗したものの徐々に復調したアルビレックス新潟とともに首位争いを繰り広げ、最終的にアルビレックス新潟が優勝。横浜FCが2位でJ1自動昇格を決めた。
同じく今季J2へ降格してきたベガルタ仙台と徳島ヴォルティス。一時は首位に立つことものあったベガルタ仙台だが、後半伸び悩みをみせ7位。徳島ヴォルティスは前半戦で借金を背負いすぎたか8位。両チーム昇格プレーオフにも進出できず、降格組3チーム(横浜FC, 仙台,徳島)で明暗が分かれる結末となった。
大善戦したのはファジアーノ岡山。シーズン中盤から頭角を現し始め、自動昇格争いに食い込むも降格組との戦い、天皇杯を制したヴァンフォーレ甲府戦、ラスト2節の連敗は痛かった。最終順位は3位に終わり、ロアッソ熊本, 大分トリニータ, モンテディオ山形の合計4チーム+J1 1チームで争うJ1昇格プレーオフへ回ることとなった。
J3降格はいわてグルージャ盛岡とFC琉球。FC琉球は前半から苦しみ、監督解任ブーストもかからずシーズン5連敗を喫する圧倒的最下位状態。5月21日~7月3日に行われた8試合に限って言うと、8戦0勝2分で勝ち点2。21年シーズンはJ1昇格争いをしていたチームが翌年はこうなる。やはりJ2は魔境である。
J3から昇格してきたグルージャ盛岡は開幕節+第三節で勝利し好調な滑り出しを切ったものの、中盤戦にかけて失速。最終的には22位の最下位でJ3降格が決定した。
個人的に注目していたジェフユナイテッド千葉、東京ヴェルディ、大宮アルディージャについて。
ジェフ千葉は”いつものジェフ千葉“を披露し10位。東京ヴェルディは9位、大宮アルディージャは前年に引き続きJ3降格争いをしつつ、辛くもJ2残留を果たす19位となった。くぅ~ん…。
2022年J3リーグ
J2リーグから4チーム(愛媛,相模原,北九州,松本)も降格してきたカオスなリーグことJ3リーグ。
J3はあまり詳しくないので軽く触れる程度で申し訳ない。充実した練習環境がゆえにムキムキマッチョな選手の多いいわきFCが1位でJ2昇格を決める。同県にソン・ジアする福島ユナイテッドFCよりも後に発足したチームであるにも関わらず、異例のスピードで昇格街道を突き進んだチームであった。
もう一つ特筆しておきたいのは2位の藤枝MYFC。実は藤枝MYFCも静岡県勢のサッカーチーム。
先程J1リーグでジュビロ磐田と清水エスパルスがJ2降格と述べたが、藤枝は2位でJ2昇格。つまり、2023年シーズンはJ2に静岡県勢が3チームも存在するさわやかハンバーグ静岡ダービーが合計6回も開催されることが確定した。
J1参入プレーオフ
みんなこういうの大好きでしょ?
山岸のヘディングや後半AT勝ち越し先制弾のドウグラス・ヴィエイラなどなど、何かと伝説を生み、血で血を洗う熾烈を極めた争いことJ1参入プレーオフ。2022年シーズンは上記の図の通り、J2同士で2回戦い、最終的な勝者はJ1 16位(京都サンガ)と戦う構図となった。
1回戦 ロアッソ熊本 対 大分トリニータ
J2 4位ロアッソ熊本とJ2 5位大分トリニータとの一戦。ロアッソ熊本はJ3降格,J2昇格から1年で4位という高みまでたどり着いた。
試合開始20秒程度。ファーストプレーで熊本のDFが対応しきれなかったこぼれ球を詰めた大分が先制。
後半になって熊本も流れを掴み始めるが得点には繋がらず。しかし熊本は後半87分に同点弾、数分後には勝ち越し弾を決める。数分後に大分が同点に追いつく泥沼試合であったが引き分けで終了。プレーオフの規定により順位が上のロアッソ熊本が2回戦進出を決めた。
1回戦 ファジアーノ岡山 対 モンテディオ山形
J2 3位ファジアーノ岡山と対峙するのはJ2 6位のモンテディオ山形。悲願のJ1初昇格を狙う岡山と、J1経験のある山形。個人的には岡山が優位かなと思ってはいたが…
中盤から抜け出したスキンヘッド輝かしいディサロのシュートで山形が先制。岡山は相手GKの好セーブにも阻まれゴールネットを揺らせない。75分, 80分に山形が追加点を決め、終わってみれば0-3。数字だけを見れば山形の圧勝に終わった。最終順位が下でもこの試合一発で下剋上を狙えるのが参入プレーオフの醍醐味だよね。
2回戦 ロアッソ熊本 対 モンテディオ山形
1回戦を引き分けで勝ち上がったロアッソ熊本。対して圧勝で勝ち上がってきたモンテディオ山形。
勝てば(熊本は引き分け以上で)昇格まであと一歩となる。
試合は前半から動き、開始12分でコーナーキックをヘディングで押し込んだ熊本が先制。しかし5分後に山形の選手が中央からミドルを決めて同点。24分にはミスからボールを奪った山形があざやかシュートで逆転に成功。だが熊本は50分にPKを獲得。これを確実に決めて2-2の同点。勇猛果敢に攻め立て続けた山形であったがここでホイッスル。2-2の引き分けだが、規定により年間順位が上位の熊本が決定戦へ進出。規定に泣いた山形、規定に笑った熊本。
決定戦 京都サンガ 対 ロアッソ熊本
12年ぶりのJ1昇格。昇格1年目は苦戦を強いられた京都サンガと、J2→J3→J2と茨の道を歩み続けてきた熊本。絶対残留の京都と悲願の昇格を果たしたい熊本の一騎打ちとなった。
ペーストしてはJ2熊本が掴んでいたように思われていたが、徐々に京都がJ1の底力を見せだす。38分に熊本のミドルを弾いた神福元と名高い上福元。その直後。キーパーからのロングフィードの競り合いを制した京都が一気に前線へ。ここでゴール前の熊本DFが痛恨のミス。トラップしきれずこぼれ球を京都が押し込み先制。ここから前半~後半頭頃までは京都のペースが続く。
後半になって一進一退の攻防が続く中、試合を動かしたのは熊本。68分にコーナーキックから頭で合わせて1-1の同点。ここから熊本は怒涛の攻撃をするが、どれも決定機には至らずアディショナルタイム突入。
運命を分けた顔とポスト。
後半アディショナルタイム。コーナーのこぼれ球をシュートした熊本。
防いだ京都の守備陣。と思ったが、よく見たら顔面セーブしたのはFWのピーター・ウタカだった。
そしてまた溢れるボール。再びシュートを放つ。そして…
ボールは無情にもゴールポスト直撃。
その後はやや焦った熊本陣のミスもあり試合終了。1対1の引き分けだが、プレーオフの規定によりカテゴリが上の京都サンガがJ1残留を決めた。
プレーオフ1回戦2回戦ともに引き分けだが規定に救われ続けた熊本が、最後の最後、規定に涙する結末となった。この規定に対しては賛否があるようだが、過去にJ1と戦わずプレーオフ2回戦を制してJ1昇格を果たしたチームがことごとく翌年J2降格となっていたため、この規定は致し方がないのかと思う。
2023年シーズンの各カテゴリ
2023年のJ1
北海道コンサドーレ札幌 | 北海道 | 北海道 | アルビレックス新潟* | 新潟 | 甲信越 |
鹿島アントラーズ | 茨城 | 関東 | 名古屋グランパス | 愛知 | 東海 |
浦和レッズ | 埼玉 | 関東 | 京都サンガF.C. | 京都 | 関西 |
柏レイソル | 千葉 | 関東 | ガンバ大阪 | 大阪 | 関西 |
FC東京 | 東京 | 関東 | セレッソ大阪 | 大阪 | 関西 |
川崎フロンターレ | 神奈川 | 関東 | ヴィッセル神戸 | 兵庫 | 関西 |
横浜F・マリノス | 神奈川 | 関東 | サンフレッチェ広島 | 広島 | 中国 |
横浜FC | 神奈川 | 関東 | アビスパ福岡 | 福岡 | 九州 |
湘南ベルマーレ | 神奈川 | 関東 | サガン鳥栖 | 佐賀 | 九州 |
以上の18チームで2023年J1リーグを戦う。
東北勢は0チーム。対して関東は8チーム、関西は4チーム。
地域ごとにJ1チームの有無が顕著となっている。関東/関西圏の各ダービー、昇格組がどこまで通用するのか個人的に気になっていたりいなかったり。
2023年のJ2
ベガルタ仙台 | 宮城 | 東北 | ヴァンフォーレ甲府 | 山梨 | 甲信越 |
ブラウブリッツ秋田 | 秋田 | 東北 | ツエーゲン金沢 | 石川 | 北陸 |
モンテディオ山形 | 山形 | 東北 | 清水エスパルス | 静岡 | 東海 |
いわきFC* | 福島 | 東北 | ジュビロ磐田 | 静岡 | 東海 |
水戸ホーリーホック | 茨城 | 関東 | 藤枝MYFC | 静岡 | 東海 |
栃木SC | 栃木 | 関東 | ファジアーノ岡山 | 岡山 | 中国 |
ザスパクサツ群馬 | 群馬 | 関東 | レノファ山口 | 山口 | 中国 |
大宮アルディージャ | 埼玉 | 関東 | 徳島ヴォルティス | 徳島 | 四国 |
ジェフユナイテッド千葉 | 千葉 | 関東 | V・ファーレン長崎 | 長崎 | 九州 |
東京ヴェルディ | 東京 | 関東 | ロアッソ熊本 | 熊本 | 九州 |
FC町田ゼルビア | 東京 | 関東 | 大分トリニータ | 大分 | 九州 |
以上の22チームで2023年のJ2リーグを戦う。
静岡以西がなかなかのスカスカ具合。関西圏に関しては全てJ1(もしくはJ3)である。東北や関東にチームが集中している。そのあたりのサポーターにとっては近場アウェーが増えて嬉しいだろうが、長崎サポのアウェー遠征はなかなか…。それよりも徳島の方が悲惨な気がしないこともない。
静岡県勢3チームによる静岡さわやかハンバーグダービーに個人的に注目。
2023年のJ3
ヴァンラーレ八戸 | 青森 | 東北 | 奈良クラブ* | 奈良 | 関西 |
いわてグルージャ盛岡** | 岩手 | 東北 | FC大阪* | 大阪 | 関西 |
福島ユナイテッドFC | 福島 | 東北 | ガイナーレ鳥取 | 鳥取 | 中国 |
Y.S.C.C横浜 | 神奈川 | 関東 | カマタマーレ讃岐 | 香川 | 四国 |
SC相模原 | 神奈川 | 関東 | 愛媛FC | 愛媛 | 四国 |
松本山雅FC | 長野 | 甲信越 | FC今治 | 愛媛 | 四国 |
AC長野パルセイロ | 長野 | 甲信越 | ギラヴァンツ北九州 | 福岡 | 九州 |
カターレ富山 | 富山 | 北陸 | テゲバジャーロ宮崎 | 宮崎 | 九州 |
アスルクラロ沼津 | 静岡 | 東海 | 鹿児島ユナイテッドFC | 鹿児島 | 九州 |
FC岐阜 | 岐阜 | 東海 | FC琉球** | 沖縄 | 九州 |
以上の20チームで2023年J3リーグを戦う。
こちらはJ1,J2と比べたら比較的全国各地まんべんなく散らばっている。なお奈良クラブとFC大阪はJFLからの昇格組。JFA管轄の試合は初年度となる。
J3も成熟し始めており群雄割拠の予感。一個人としてはギラヴァンツ北九州に期待している。また、長野パルセイロ/松本山雅の激アツダービーにも注目したい。
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