FC神楽しまね(松江シティFC)のJFL退会と再起の可能性について考える

サッカー

重要な追記(2023年3月17日)

FC神楽しまね(旧松江シティFC)は、2023年3月14日に破産手続きを開始しました
以下の記事は破産手続き以前に作成した内容です。

はじめに

島根の子どもたちに心からサッカーを楽しめる場を
『ネクストゴール挑戦中!!』経営難に陥った島根のサッカークラブのスクール事業の運営を、個人で引き継いで継続していくための資金援助を募ります。子どもたちの学びの場を失くさないために、皆さんの力をお貸しください。

元FC神楽しまね選手兼スクールコーチの佐藤啓志郎氏がサッカースクール活動に向けたクラウドファウンディングを行っています。
神楽しまねのジュニアユース生たちが今後はこちらで活動されるようですので、寄付は上記リンクからどうぞ。

かんたんな時系列

前回の記事(コチラ)と被る箇所は多少あるのだが、一応軽く時系列順で事の経緯を書き記しておく。

前身である松江RMクラブが1968年に創設。2008年にヴォラドール松江へ改称。
2010年 中国リーグ(地域リーグ)へ昇格。

2011年(地域1部) ヴォラドール松江を母体とする松江シティフットボールクラブ設立。中国リーグ9位。
2012年(地域1部) NPO法人松江スポーツクラブ設立。中国リーグ3位。
2013年(地域1部) 中国リーグ4位。
2014年(地域1部) 中国リーグ優勝。全国地域サッカーチャンピオンズリーグ決勝大会(以下地域CL)1次ラウンド敗退。
2015年(地域1部) 中国リーグ優勝(無敗優勝)。地域CL1次ラウンド敗退。
2016年(地域1部) 中国リーグ2位。地域CL準々決勝敗退。
2017年(地域1部) 松江シティFC株式会社設立。中国リーグ2位。地域CL1次ラウンド敗退。
2018年(地域1部) 中国リーグ優勝。地域CL決勝ラウンド優勝。JFL昇格

2019年(JFL) JFL15位。
2020年(JFL) JFL10位。
2021年(JFL) JFL5位。
2022年(JFL) チーム名をFC神楽しまねに改称。給料未払い問題が発覚。JFL12位。
2023年 JFL退会を報告

給料未払い問題

2022年7月、選手スタッフに対する給料未払い問題が記事として取り上げられる

また2023年1月25日の記事によると、2023年JFL年会費1千万円+2022年シーズン未払い給与を合わせた5300万円を支払えていなかったことが明らかになる。

退会という結論に至ったのは、期日(20日)までに1千万円の年会費と未払い分の給与を合わせた計5300万円を支払えなかったことが主な理由。クラブは経営健全化の裏付けとなる再建計画書をリーグに提出していたが、前提条件がクリアできなかったことで計画書の内容を本格的に審議する段階にすら進めなかった。

https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/330143

なお未払いについては元チームスタッフから訴訟を起こされており、2023年1月に結審。元スタッフの請求通り、132万円の支払いを運営会社側に命じた

なおこの訴訟については、会社側の代表が一度も出席せず結審
会社側が出席・書面での認否すら明らかにしなかったため、原告側の内容全てが事実であるとして進められた。

元日本フットボールリーグ・FC神楽しまねの給与未払い問題で、運営会社の松江シティFC(松江市灘町)に対し、15歳以下の選手を指導した元コーチの20代男性が未払い報酬などの支払いを求めた訴訟の判決が1日、松江地裁であった。山中耕一裁判官は、男性の請求通り会社側に132万円の支払いを命じた。

 山中裁判官は会社側が弁論に出廷せず、書面でも認否を明らかにしてないことなどから、事実関係を認めたとみなした

 判決後、原告の男性は「判決は出たが、会社側のアクションが何もないので不安」と話した。

 会社側は「代表者不在のためコメントできない」とした。

 判決によると、男性と会社は2022年4月~23年1月の期間で業務委託契約を結んだが、22年7月以降、経営不振を理由に報酬の支払いが滞った。

https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/333842

引用元記事から察するに、依然として元スタッフに対する支払いはなされていないと推測される。
更に一つ前の引用記事では、1千万円の年会費と未払い分の給与を合わせた計5300万円を支払えなかったと書かれている辺り、シーズン後半からの選手・スタッフに対する給料がほとんど支払われていないのでは…?

JFL退会に至るまで

シーズン途中から危惧されていたのは、給料どころか遠征費も賄えずシーズン途中に棄権する可能性という点。
クラブはシーズン途中に緊急支援のお願いリリースを出し、スポンサーやサポーターの支援を賜り、また選手・スタッフは恐らく無給(ないしはそれに近い状態)であろう環境で2022年シーズンを走り抜けた。

ただシーズンが終わっても経営面の問題は解決したわけではない。
累積赤字が多少膨らんでもなんとかならないことはないのだが、直近の給料すら支払えていないのは半ば風前の灯火。
23年シーズンもJFLで戦えるとなったとして、22年シーズンのように途中で経営難に陥られて試合をこなせないとなった場合は神楽しまねにも、他のJFLチームへも影響する(主に勝ち点とか試合開催の是非で)

相次ぐ退団リリース

画像:FC神楽しまねにて相次いだ退団リリース
※上記退団リリース画像はあくまでも一部。

シーズン終了から選手退団(または移籍)のリリースが出ていた時点で色々問題なのだが、最終節終了後に出される契約関係のリリースは退団(+退団および移籍先決定)のお知らせのみ。契約更新や新規加入に関する話題は一切無かった。

ここで一部ではあるが、選手退団にあたってのコメントを抜粋する。

この度、VONDS市原への移籍に伴いまして、退団する運びとなりました。

三年間、本当に様々なことがありましたが、このクラブの主将として常に先頭に立ち、戦い続けたことを誇りに思っています。

今シーズンは特に、苦楽を共にした最高のチームメイト、スタッフ、そして最後まで支援し続けて下さった全ての皆様が居なければ、最終戦まで戦い抜くことは不可能でした。感謝してもしきれません。 

また、多くの失望や悲しみ、怒りを与えてしまったにも関わらず、それでも支え続けて下さった、支援し続けて下さったスポンサー、株主の皆様、ファン、サポーターの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

三年間、本当にありがとうございました。

※垣根拓哉選手/22年シーズンキャプテン

https://www.fc-kagurashimane.jp/news/news-topteam/2579

アルティスタからここ島根に移籍してきて4年間。かけがえの無い経験をさせてもらいました。
JFL1年目の最終節での残留決定、肩の手術、2、3年目のチームの飛躍、4年目の苦境。どこを切り取っても色濃く記憶に残っており、自分のサッカー人生においてとても大切な財産です。このような素晴らしい経験をさせていただいた監督、コーチ、スタッフ、社員の方々、チームメイト全員に感謝します。

そして、どんなに精神的肉体的に苦しい状況でも、多くのサポーターの皆さんが毎試合応援に駆けつけてくださった事は僕達の大きな力になりました。本当にありがとうございました。また、スポンサー各社の皆様、株主の皆様、チームを支えてくださった皆様にも感謝申し上げます。

ただ、今年起こってしまった事を二度と繰り返さぬよう、同じ苦しみを味わうサッカー関係者が今後出ないよう、クラブやリーグのみならずサッカー界全体の問題として今後に活かされていく事を強く願います。

最後になりますが、島根県という土地が4年間で大好きになりました。

ここでのご縁や出会いを大事に、これからの人生も自分らしく頑張っていこうと思います。

4年間本当にありがとうございました!


佐藤 啓志郎

https://www.fc-kagurashimane.jp/news/news-topteam/2591

この度FC神楽しまねを退団することになりました。

まずは2022シーズン、スポンサー企業様をはじめ、ファン・サポーターの皆さん、僕たちを応援してくださった全ての方々に感謝します。
ありがとうございました。

2年前、チームを契約満了になった時にこのFC神楽しまね(松江シティFC)に声をかけてもらって、またサッカーが出来るチャンスを頂けて本当に嬉しかったです!

実信監督をはじめスタッフの方々、チームのみんなとは切磋琢磨しながら成長出来たと思ってます。

本当にこの2年でこのチームを好きになりました。

7月から給料の未払いが起きて、最終戦まで沢山の方々に支えられて、キツイ体も心も乗り切る事が出来ました。

本当に全国各地からのご支援がなければ、30試合行う事は出来なかったと思います。

感謝してます。

僕自身もこの事が起きてから、アルバイトをさせてもらった、クロードさんには感謝しかありません。

洋菓子屋さんは朝から晩まで仕込みから、作る所までずっとやらなければならないのを練習後の午後から行かせてもらって仕事して、閉店後には帰るという、本当にお店の方達には、体の事を気を使ってもらいながら働かせて頂けました。

試合の時には、お菓子を売ってそれを全額クラブに寄付までして頂きました。

2022年は様々な所で関わってくださった方がいたから、今の自分達がいるんだと思ってます。
もう感謝という言葉以外出てきません。

そしてファン・サポーター、応援してくれる全ての方々が一緒になって作り上げてくれた、【FC神楽しまねに捧げる応援歌】。絶対に忘れません。

まだ僕自身の今後は決まってません。

でもサッカーは続けます。

好きなサッカーを続けて、また必ず皆さんの前でプレーしてる姿をお見せ出来るように頑張っていきたいと思います。

そして実さん、弘樹さん、秀さん、若槻先生、康祐さん、航、選手のみんな!

本当にお世話になりました。

2年間、ありがとうございました。

皆さんまた会いましょう。

遊馬将也

https://www.fc-kagurashimane.jp/news/news-topteam/2601

松江シティFC、FC神楽しまねに関わるすべての方々、約2年間ものすごくお世話になりました。契約満了になった僕にチャンスを与えて下さった実信監督、チームに本当に感謝しています。

2021シーズンから島根に来て最初に、選手の皆んなの高い志や素直さ、ファン・サポーターの方々の温かさに感銘を受けたのを覚えています。

2022シーズンは7月から未払いが起き、会社としてもチームとしてもとても苦しいシーズンでした。

その中でも、選手は諦めずに最終節まで闘えたのは皆様の支援金、募金、選手達が働かせていただいていたスポンサーの企業の皆様、何かできることはないかといって手を差し伸べてくださる飲食店の皆様のおかげで乗り越えられたと僕は思っています。

本当に感謝しています。ありがとうございます。

また、僕たちと同じ状況なのに最後までこの会社に残って下さっていた数人のフロントスタッフの方々にも感謝しかありません。

コロナの影響でなかなかファン・サポーターの皆様と交流が出来ませんでしたが、ホーム戦での試合終わりのお見送りでお話や写真、差し入れを頂いた時間が僕の中で幸せな時間の1つでした。

鳥取から駆けつけて下さるファン・サポーターの方々。
写真を撮ってものすごく喜んでくれる若い子達。
サインを下さいと緊張しながら言ってくれるサッカー少年。
僕のユニフォームやタオルを買ってくれて、そこにサインして欲しいてお願いしてくれる方々。
スマートフォンや教科書にサインして欲しいて言ってくれる子達。
毎回のように差し入れを下さる方々
ベルシステム24で出会って、応援に来てくれる方々。

感謝しかありませんし、絶対に忘れません。

なかなか結果を残せなかったのが心残りですが、最終節に僕のゴールで終わることができてよかったと思ってます。

あの会場の雰囲気も忘れません。

僕の今後はまだ何も決まっていませんが、今後とも「FC神楽しまね」と「山本蓮」を引き続き応援して下さると嬉しいです。

最後になりましたが、今年一緒に闘いました実信憲明監督、松本弘樹コーチ、加藤秀典コーチ、久山健太主務、松本康佑トレーナー、錦織航トレーナー、若槻先生、選手の皆んな本当にありがとうございました。

FC神楽しまね    

14番 山本蓮

https://www.fc-kagurashimane.jp/news/news-topteam/2590

他にも多数の長文コメントを残している選手はいるが、今回は上記4者を抜粋。悲喜こもごもではあるが、全選手が神楽しまねに関係する方々への感謝の言葉を述べていた。

あまり考えたくはないが最悪の事態(クラブ解散)に備え、2022年シーズンを戦った選手の退団コメントを別記事でまとめておく予定。

JFL残留へ向けた審議

松江市を拠点に活動するサッカーJFL「FC神楽しまね」について、クラブの資金難が表面化するなか、JFLは、6日、来シーズン、リーグに残留させるかを審議しましたが、クラブ側が提出した経営の再建案の内容が不十分だとして、結論を見送り、審議は継続となりました

今シーズン、「FC神楽しまね」は、16チーム中12位でシーズンを終え、成績面ではリーグ残留が可能ですが、選手やスタッフの給与が未払いとなるなど、資金難が表面化しています。
JFLは、リーグ残留には経営状況を改善する必要があるとしていて、6日に開かれた理事会でクラブを残留させるかを審議しました。
クラブの運営会社によりますと、審議では、JFLの要請でクラブが提出した経営の再建案について、追加で提出を求めていた部分が不十分だとして、JFLは結論を見送り、審議は継続されることになりました。
今後は、JFLが臨時の理事会を開いて残留させるかを判断することになりますが、具体的な日程は決まっていないということです。
クラブの運営会社は、「来シーズンもJFLを舞台に戦うことを希望しているので、リーグに納得してもらえる経営再建案を示していきたい」とコメントしています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20221206/4030014632.html

上記の記事は2022年12月6日。そして12月23日頃のJFL理事会でも、

 日本フットボールリーグ(JFL)の加藤桂三理事長は23日、運営会社が資金難に陥っているFC神楽しまねのリーグ残留可否について「年内に決定することは難しい」と述べ、最終判断が年明けになる見通しを示した。運営会社に求めている状況説明に進展がないことを理由に挙げた。

https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/316926

そして2023年1月6日。

本日行われた2022年度 第7回 日本フットボールリーグ(JFL)理事会にて、下記事項が承認されましたのでお知らせいたします。

・FC神楽しまねについて
 FC神楽しまねより2023年1月5日(木)に提出されました再建計画書を元にJFL理事会で審議しましたが、2023年度第25回JFLで活動していくことにつきましては引き続き継続審議となりました。
 後日改めてJFL理事会を開催します。

http://www.jfl.or.jp/jfl-pc/view/s.php?a=2070

残留に向けた審議は継続となった。クラブ側は再建案を出していたようだが、JFL側とすればそれは現実的ではないだろうと突っぱね、是が非でも残留したいクラブ側があの手この手で再建案を模索…の日々だったと推測される(※あくまでも個人の推測)

微かな希望?

画像:FC神楽しまねから出されていたU15、U13募集のお知らせ

2022年12月頃でも、ジュニアユース募集のリリースは逐一更新されていた。
また年明け2023年1月17日にも、2023年スクール活動再開!!※随時無料体験募集中!!とのリリースが出されていた。金銭に余裕の無い状態でジュニアユース募集はしないよね…?となれば再建の目処が立ったのかと勝手に思いこんでいた。
(※ただしJリーグで戦うとなればホームグロウン選手制の都合でユース出身がいないとなかなか厳しいため、望みが繋がった場合に備えただけなのかとも考えていた。)

また2023年1月13日にはJFLやFC神楽しまね公式からも、25回JFL第一節及びホーム開幕戦の相手や試合会場についてのリリースが出されていた。

画像:FC神楽しまねからリリースされた2023年JFL予定について
https://www.fc-kagurashimane.jp/news/news-topteam/2604

無論但し書きにはJFLで活動できるか決定していないため、活動継続となった場合に下記の日程となると書かれていた。
とは言え、ここまでしておきながらやっぱりJFLで戦えませんなんてオチは無いだろう。そう思っていた自分が浅はかだったのかもしれない。

無慈悲なリリース

画像:JFLから下された神楽しまね不参加のお知らせ
画像:神楽しまねから出されたJFL退会のリリース

2023年1月23日 月曜日、JFL及びFC神楽しまね公式サイトより、JFL退会のリリースが出された。

『FC神楽しまね』を運営する松江シティFCは、去年7月、経営難により選手32人と社員やスタッフ18人の給与が未払いになっていることを公表した。日本フットボールリーグは、1月23日の理事会で「支払いが実行されておらず、スタートラインに立てていない」として、今シーズン、FC神楽しまねのリーグ参加を認めないことを決定した。

https://www.nkt-tv.co.jp/pc-news/news107trku87nyo0waswqn.html

FC神楽しまねのリーグ退会は、1月23日開かれたJFLの緊急理事会で決まりました。FC神楽しまねは2022年のシーズン、16チーム中12位で、成績面では、残留条件を満たしていましたが、約1億7千万円を超える累積赤字や選手・スタッフへの給与未払いなど、経営基盤に関する問題が山積していました。このためJFLは、運営会社に対し、3月に始まる新シーズンへの参加条件として、未払いとなっているリーグ会費、それに選手スタッフの人件費など合わせて約5300万円の支払いを求めていましたが、期限としていた今月20日までの資金調達はできず、JFLからの「退会」となりました。

https://www.fnn.jp/articles/-/475048

累積赤字はとりあえず置いておいて、未払い給与をどうにかしてJFL会費を収めてくれ。(+抜本的な再建案を出してくれ)
そしたら23年シーズンもJFLで戦ってもいいからといった条件であったが、結果としては未払い問題もJFL会費も解決に至らず、退会の選択肢を選ばざるを得なくなった(JFL側が判断した)のだろう。

先程までの流れもあってか、これは大口のホワイトナイトでも現れて残留の可能性あるなと思っていた矢先の退会であったため驚きを隠せなかった。
そしてJFL会費を差し引いても4300万円の給与が未だに支払われていない事実にも驚愕。シーズン後半、選手スタッフは本当にほぼ無給状態で試合に臨んでいたのか…。

おざなりになりかけたジュニアユース

JFLは退会。選手・スタッフは退団する一方で契約更新は一切無し。半ばクラブ解散状態。

じゃあつい先日まで募集していたジュニアユース生たちはどうなるのよ。

と思っていたら、2023年2月1日、このようなリリースが出た。

画像:神楽しまねのジュニア・ジュニアユースについて

松江シティフットボールクラブとチーム名を新たにして、ジュニアユースは継続できる予定とのこと。

また神楽しまね選手兼ジュニアユースコーチとして活躍した佐藤啓志郎氏が島根県内にサッカースクールを立ち上げ、佐藤氏のスクールの元で活動する見込み。
※リンク先は佐藤氏のTwitterアカウント。

なお具体的な運営元については、現時点で出されているリリースや報道からはあまり汲み取れなかった。
FC神楽しまね(松江シティFC株式会社)が運営母体として新たに松江シティフットボールクラブを立ち上げてジュニアユース活動をするのか。それとも運営母体は全く別の会社となるのか。
ただの推測ではあるが、

ジュニアユースのチーム名は松江シティフットボールクラブ。
ー運営母体はFC神楽しまね(松江シティFC株式会社)。
ー指導自体は佐藤氏が務めるサッカースクールにて行う。

こんな感じになるのだろうか。この辺が明らかになったらまた後日修正・訂正を入れる予定。

なお佐藤啓志郎氏が務めるサッカースクールについては、現在クラウドファウンディングによる支援を募っている。

島根の子どもたちに心からサッカーを楽しめる場を
『ネクストゴール挑戦中!!』経営難に陥った島根のサッカークラブのスクール事業の運営を、個人で引き継いで継続していくための資金援助を募ります。子どもたちの学びの場を失くさないために、皆さんの力をお貸しください。

神楽しまねジュニアユース生たちの受け皿となるサッカースクールでもあるため、プロジェクトが成功することを切に願う。

FC神楽しまねの今後を考える

本題はここからだろうか。
JFLの退会が確定した以上、23年シーズンに神楽しまねがJFLで戦う姿を臨むことはできない。今後考えられるのは3通りくらい…?
解散・合併・再出発のいずれか。

解散

過去にアルテ高崎という群馬県のサッカーチームが存在していたが、2011年に経営難から活動を終了。解散となった。
なおジュニアユースなどの育成組織はは2012年から高崎エヴォリスタFC(現名称はAlla vita sport群馬エヴォリスタ)が創設され、そちらに引き継がれた。

仮にもトップチームの活動が完全に停止し、再建も果たせなければ恐らくこの道を辿る。再建しようにも、選手・スタッフへの未払い分の精算、累積赤字が重くのしかかる。

まずは未払い分の精算が最優先となるが、並行してチーム活動を再開させなければ、FC神楽しまねによる”島根からJクラブを”の夢が潰えることとなる。
金融機関からの借り入れは半ば絶望的。トップの活動がなければスポンサーからの支援もそうそう受けられない。八方塞がり…。

合併

一番分かりやすいのは横浜フリューゲルスの件。
大口出資元である佐藤工業は経営不振。同じく大口であるANA(全日空)も赤字状態でクラブを支えることが出来ない。そこで横浜マリノス(現横浜F・マリノス)の運営元である日産自動車に掛け合い、フリューゲルスはマリノスに吸収される形で合併(消滅)した。
(ご存じの方も多いと思うが、横浜F・マリノスのFフリューゲルスのF)

ただしこの例は相当稀な例。吸収元が大口であったがために実現した。島根県に存在するサッカーチームはベルガロッソいわみ(地域1部)、そしてSC松江(県1部)。両者ともJFLよりも下位リーグであり、恐らく現状のまま活動するのが精一杯の状況かと推測される。

上記を踏まえると、少なくとも島根県内のチームに吸収合併されるのは厳しい。女子サッカーでは運営母体が全く別の都道府県に存在するチームへ移管されるケースがあったはずだが、そうなれば結局のところ解散に等しい。

再出発

未払いの精算と同時に追加融資ないしは大口スポンサー獲得+クラブ活動再開という、果てしない理想論ではあるが、再起して再出発というのもあり得る。

とはいえ現状で追加融資を受けられるのかと問われれば…。またスポンサーの獲得もトップが動いてこそのもの。ジュニアユースしか活動していないチームに突然ホワイトナイトがつくケースはそうそうない。

つまるところ、スポンサーの獲得=チーム活動再開となるわけだが、並行して赤字を縮小させていく必要もある。神在月に気まぐれで参拝しに来たアラブの石油王がポンと10億くらい落としてくれたら一発で復活するのだが、当然現実的ではない。

クラブ活動継続にしても、今年以降はJFLよりも下のカテゴリで戦うことが確定しているため、メディア露出は減り、懐事情は一層厳しくなる。再出発の選択をしたからには、文字通り”一からのスタート”となる。

一昔前に大分トリニータが十数億の債務超過で経営危機に陥ったのだが、目の前の収益モデルの改善(試合を観ることへの対価, スタジアム環境整備, ECサービス強化等)を行い、順を追って再建を果たした。しかし大分はJ1も経験したことのある強豪かつ根強いファンが多数いたから成り立ったこと。
“これから”Jリーグ加入を目指していく神楽しまねにとっては、そういったことをしていられる状況ではない…。

画像:埋まることのなくなったFC神楽しまねのマッチスケジュール

依然として埋まらないマッチスケジュールのNEXT MATCHはいつか埋まるのだろうか…。

残ったしこり

個人的に残っているしこりは、クラブのトップ、宮滝代表取締役社長と前代表取締役会長吉岡氏について。

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2022年度末をもって吉岡健二郎代表取締役会長が退任し、後任として宮滝譲治氏が代表取締役社長に就任した。
前回の記事でも一部特記していたが、宮滝氏に全責任があるかと問われたら個人的には難しいと考えている。以前から島根県からJリーグチームを生み出すことを夢に見ており、一時は島根を離れてスポーツ×経営についてを学ばれていた。
コロナ禍の最中に島根へ戻ると同時に神楽しまねへ入社。2022年4月に社長へ就任。半年も経たずして給料未払い問題。就任からわずか数ヶ月で選手スタッフへの給料も払えない状態になるほど杜撰な経営をしていたのだろうか

就任から2年~3年経って経営危機ならまだしも、ものの数ヶ月。どちらかと言えば前任の方に色々と問いたいことがある。なぜ経営規模に見合わない契約を交わしてしまったのか、積み重なっていた債務はどのような形で返済していく道筋を立てていたのか、シーズン途中の交代の経緯、そしてなぜあのタイミングでの退任だったのか等。
(交代の経緯や退任のタイミングは年度末だったからで片付きそうだが、置いていった爆弾があまりにも大きすぎる)

宮滝氏についても問いたいことはある。社長就任の経緯や未払い分の支払いの目処、シーズン終了後のサポカン(サポーターズカンファレンス=サポーターを交えた意見交換会のようなもの)を開かなかった理由、再建計画の内容等…。
成績低迷や大きな不祥事の際は、大体クラブ側がサポカンを開いたりするのがJリーグ界隈では通例。経営危機の背後に何があったのかを語ってくれれば、多少なりサポーターも納得してくれただろうに、事の真相が明かされぬままクラブが終了してしまうのだろうか…。

総括

このまま終わるのか?

締まらないよ、これでは。
選手やスタッフはもとより、ファンもサポーターも納得いってないよ、これでは。

クラブとしての進退を模索している最中だとしても、もう少し現状やら今後の方針を公式からリリース出してくれないと、大半が納得いかないまま終わっちまうよ。

余談 チームが存続した場合の今後

 JFLの下に位置する9つの地域リーグへの降格は、規約で順位以外の理由では受け入れられない。つまり、今シーズンの神楽しまねは中国サッカーリーグでも戦えない。その下の都道府県リーグへの降格に関しては、島根県サッカー協会の判断に委ねられる。

https://www.ronspo.com/articles/2023/2023012401/2/

仮に存続した場合でも、上記の記事通りであるとすれば、少なくとも今シーズンは中国サッカーリーグ(地域1部)では戦えない。都道府県リーグについては島根県サッカー協会の判断に委ねられるとのこと。

事実上、2段階降格の県1部(県2部からのスタートの場合は3段階降格)での再スタートとなる。仮に再建を果たしたとしても、Jリーグ参加への道のりは以前よりも遠のいてしまった…。

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