【J2/J3/JFL】Jリーグの熾烈な”残留争い”の状況をまとめる

サッカー

J2残留争い

2023年シーズンは下位2クラブが自動降格となる。
2023年9月26日現在、最下位は大宮アルディージャ。次いで21位はツエーゲン金沢となっている。

自身のツイートでも言及していたのだが、例年のJ2残留ボーダーラインは勝ち点40以上が一つの目安。

だが残留圏(20位以上)の各クラブはほぼ勝ち点40に到達している。
J2全42試合中36試合消化で勝ち点40ということは、1試合あたり勝ち点1程度のペースでシーズンを戦っていることとなる。となれば、多少の乖離はあるだろうが残留ボーダーは40台半ばになるのではと(勝手に)予想。

勝ち点40半ばでは曖昧なので、ひとまず勝ち点45をボーダーとして考える。
そうすると、ツエーゲン金沢は残り7試合で4勝2分1敗以上のペースを保ち続けなければならない。
大宮に至っては残り6試合で、最低でも4勝2分程度は必要となってくる(1敗でもすれば命取り)。

いずれにしても厳しい現状であることに変わりはないが、意外な伏兵によって21位のクラブが降格を免れる可能性がある

伏兵1 ブラウブリッツ秋田

この項は秋田に対するライセンス交付に対して疑義がついていた時点での内容です。

2023年9月26日に制裁付きでJ1ライセンスが交付されることが公式よりリリースされました。
仮に秋田へJ2以上のライセンスが交付されなければJ3へ降格となるため、そういった際は順位による降格枠が1つ減るということについて記述していましたが、そちらの内容については削除させていただいています。

伏兵2 J3クラブ

J3上位2クラブがJ2へ昇格するのだが、なぜJ3のクラブを伏兵扱いしたのか。
そう、J2クラブライセンスを持たざるクラブが上位になれば、昇格枠が1つ消える(=J3への降格枠が1つ消える)ことになるのだ

だがどのクラブもJ1、ないしJ2ライセンスを持っている…のだが、これもまた悲しき事例となる可能性をはらんだクラブがいくつか存在する。

FC大坂 奈良クラブ

両クラブともにJFLからの昇格組であるが、昇格1年目にして上位につけている。だが両クラブともにまだJ2クラブライセンスを持っていない。

2024シーズン J2クラブライセンス申請のお知らせ | FC大阪
この度、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)へ、2024年シーズン J2クラブライセンスの申請書類を提出しましたのでお知らせいたします。 今後はJリーグによる審査が行われ、判定結果は9月末までに発表される予定です。 【株式会社F.C.大阪 代表取締役 近藤 祐輔コメント】 平素よりFC大阪に格別の御高配を賜り...
2024シーズンJ2クラブライセンス申請のお知らせ | 奈良クラブ | NARA CLUB Official Site

だが将来的なことを見越して、2023年はJ2クラブライセンスの申請を行っている。
現時点で基準を満たしていなくとも、件の特例が通ればJ2ライセンスが交付される見通し。となれば恐らくこの2クラブが昇格圏に食い込むと、J3への降格枠は変わらず2枠のままとなる。

伏兵3 アスルクラロ沼津

こちらもまたJ3上位(昇格圏まで勝ち点3差)なのだが、現時点で最も昇格が難しそうなクラブである。
理由は非常に単純で、J2クラブライセンスを持っておらず、なおかつJ2クラブライセンスの申請も行っていない(可能性が高い)からである

先程の項ではFC大阪と奈良クラブがJ2ライセンスの申請を行ったリリースを出しているのだが、今年の沼津は申請を出していない。
(過去にJ2ライセンスを申請したが却下された)

そもそも沼津はJ3ライセンスすら危うい状況が続いていたため、現在はJ3定着へ向けた環境の改善に尽力している最中である。裏でこっそり申請している可能性自体は否めないが、申請したら公式がリリースを出すのが通例。となれば、仮にも沼津が昇格圏でシーズンを終えると、J3への降格枠が1つ減ることとなる。

J3残留争い

今まではJ3からJFLへの降格は存在しなかったのだが、今年からJFLへの降格が実施されるようになった。各カテゴリ20クラブずつにするという方針の都合もあるのだろう。

といったわけもあり、J3最下位はJFLへ降格するのだが、これまた特殊な事例が存在するため少し深掘りする。

J3への昇格条件

J3クラブライセンスを持っており、なおかつJFLで少なくとも1位,2位のいずれかでシーズンを終えることが、J3への昇格条件である。逆に言ってしまえば、これらを満たしていない場合はJ3への昇格も、JFLへの降格も発生しないのである。

後ほど詳しく述べるが、JFL1位がJ3ライセンス持ちの場合は自動昇格(=J3最下位は自動降格)。JFL2位に機会が巡ってきてJ3ライセンス持ちの場合は入れ替え戦が実施される。

ここで2023年9月26日現在のJFL順位表を確認してみよう。
首位はHonda FC、2位にソニー仙台FCがつけている。首位Honda FCは半ば独走状態で圧倒的な強さを見せているのだが、なんとJ3クラブライセンスを持っていない

J3への門番ことHonda FCさん。アマチュア界隈のプロという体を首尾一貫しており、今後も恐らくJ3参入は検討せず、JFLの門番であり続けるのであろう。

となればJFL2位のクラブに昇格の機会が巡ってくるのだが、2位争いは熾烈を極める。JFLは残り7試合~8試合なのだが、2位から11位の間は勝ち点差6以内。どのクラブが2位に滑り込んでもおかしくない状況である。
前述の通り、1位,2位いずれのクラブもJ3クラブライセンスを持っていない場合は昇格も降格も発生しない。では2位にJ3ライセンス持ちのクラブが入ってきたらどうなるのか。

入れ替え戦

みんな大好き入れ替え戦が実施される

J3最下位とJFL2位クラブが2度直接対決するホームアンドアウェー方式。
アウェイゴールルールは適用されず、延長戦を行っても決着がつかない場合はPK戦で勝敗を決める。

現時点でJ3クラブライセンスを申請(もしくは交付済み)のクラブは

  • ラインメール青森FC
  • クリアソン新宿
  • ヴィアティン三重
  • レイラック滋賀
  • 高知ユナイテッドSC
  • ヴェルスパ大分

以上のクラブである。
(※赤字は2023年9月現在ライセンス交付がほぼ確定。黒字は審議継続中)

いずれかのクラブがJFL2位となれば、J3最下位との入れ替え戦が実施されることとなる。

余談ではあるが、JFL1位, 2位のいずれもJ3ライセンスを持っていない場合、J3からJFLへの降格も、JFLからJ3への昇格も発生しない。JFL3位に昇格の機会が巡ってくることはない

総括

J2からJ3への降格枠について

  • ブラウブリッツ秋田がJ2ライセンス取り消しとなれば1枠減る
  • アスルクラロ沼津がJ3を1位か2位でフィニッシュ(+J2ライセンス不交付)となれば降格枠が1つ減る(可能性が高い)
  • J2ライセンス不交付が決定したJ3クラブが1位か2位でフィニッシュとなれば降格枠が1つ減る

ありえそうなのは上から2つ。現状だと一番下の項目については恐らくだが発生しない見通し。
全力アスルしつつ勝ち点積んで天命を待つべし。
(追記)
ブラウブリッツ秋田は2024シーズンのJ1ライセンスが交付されたため、秋田の強制降格による降格枠消費の可能性はなくなりました。

J3からJFLへの降格枠について

  • JFL1位,2位がJ3ライセンス不交付の場合は無条件でJ3残留
  • JFL1位にHonda FCを筆頭としたライセンス不交付クラブ, 2位にJ3ライセンス交付クラブが来た場合、ホームアンドアウェーの入れ替え戦

現時点で一番現実的なのは後者。JFLで無双するHonda FCが首位をキープしたままシーズン終了を迎え、2位にJ3ライセンスが交付されているクラブが来ること。多くのJFL上位クラブにJ3ライセンスが交付(または審議継続)されているため、Honda FCが突然スランプに陥らない限り入れ替え戦になるのでは…?と予想。

大宮も金沢も最終盤に昇格争い組との対決が控えているため、今のうちに勝ち点を積み上げておきたいところ。
北九州は残り試合数も10試合とそこそこ残っている。上位陣との直接対決も少ないので、取りこぼしを無くせばまだまだ自力残留の可能性も見えてくる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました