サッカー界隈でよく言われるのは、”2-0は危険なスコア“。
?「日本代表が2-0で勝ってるな…」
?「よし!これは勝ったな!風呂入ってこよ!」
~入浴後~
?「・・・」
Jリーグ界隈に詳しくない人でも知っているのは2018年のロシアワールドカップ。ベスト8をかけた試合で日本が2ー0でリードするも、その後追いつかれアディショナルタイムで逆転弾を許した悲劇。
(日本時間で深夜の開催だったためその時間帯に気を抜いて風呂入るなんてことは少ないだろうが、ちょっとトイレ行ってる間になんか追いつかれてるんだけどなんてことはリーグ戦でも時々発生しがち)
傍目では2-0なら快勝コースじゃんと思いがちだが、ふとした慢心から1点決められ、勢いづかれて同点、下手すりゃ逆転されてしまうことも意外と発生する。それがゆえに巷では”2-0は危険なスコア”と呼ばれていたりする。
今回はこうした”○○なスコア“、”○○のスコア“を適当にまとめる。
※ほとんどネタ枠。
2-0 危険なスコア
冒頭でも紹介した危険なスコア。
2-0で試合を優位に進めていたとしても、1点返され、同点、さらには逆転…なんてケースも存在。
Jリーグサポならこの危険なスコアで追いつかれた側を経験してこそサポ一人前。贔屓が強いからと言っていつでも快勝・常勝・いつでも大勝できると思うな。
3-0 大差ないスコア
3-0、大差ないスコア。
スコア的には大差がついていても、試合内容としては互角でどちらに転んでもおかしくない(=両チームに決定機はあったが決定力の差が出た)展開だった際に用いられるべきだが、実際には半ば嘲笑や皮肉を込めて大差ないスコアといった表現を用いられることが多い。
実際3-0のスコアなら割と一方的な試合になりがち。実況や解説の方が敗北側への慰めとして稀に使うことがある。
※なお上記画像の2017年4月8日に行われたサガン鳥栖ーアルビレックス新潟の試合は3-0で鳥栖の勝利となったが、新潟の加藤選手は”大差で負けるような試合はしていない”とコメント。
4-0 アーセナル的危険なスコア
4-0、アーセナル的危険なスコア。
2012年10月30日に行われたイングランドリーグ杯の4回戦、レディング対アーセナルの試合。
前半時点で4-0(厳密にはアーセナルがATに1点返したため4-1)とレディングが大幅リード。アーセナルファンの一部が早くも帰路につきはじめる展開だったが、アーセナルが後半に怒涛の追い上げ。後半ATにウォルコットが劇的同点弾を決める。この時点で4-4。
延長戦に突入してアーセナルがリードするも、追いつかれ、しかしまたアーセナルが突き放し、結果は5-7。アーセナルの勝利となった。
アーセナルを相手にすると4-0でも慢心が許されないといった意味合いを込めてアーセナル的危険なスコアと称される。
5-0 夢のスコア
5-0、夢のスコア(通称夢スコ)。
元ネタとなったのは1998年フランスワールドカップのグループリーグ第2戦目、オランダ対韓国の試合。当時圧倒的な強さでアジア予選を勝ち抜いた韓国が世界で浴びた洗礼。
韓国人ネットユーザーが掲示板に書き込んだ内容を機械翻訳し、日本語に直すと”夢のスコア”となった。
5-0まで来るとどう足掻こうと逆転できない(アーセナルであっても逆転できそうにない)ため、夢のスコアといった表現が用いられる。
6-0 無慈悲なスコア
2011年6月29日、U17ワールドカップ日本対ニュージーランドの試合にて、日本はニュージーランド相手に6-0のスコアで大勝。FIFAのマッチレポートに、Ruthless Japanese sweep Kiwis aside(無慈悲な日本がニュージーランドを一掃)といったタイトルをつけたため、無慈悲なスコアと呼ばれるようになった。
“夢”を通り越し、もはや残虐なレベル。
7-0 炭鉱スコア
2010年6月21日に行われた南アフリカワールドカップ、ポルトガル対北朝鮮戦の試合。結果はポルトガルが7-0で大勝。
1996年のワールドカップにて、健闘するも敗れた北朝鮮選手が大会後に炭鉱送りにされた件や、北朝鮮ではお偉い様の逆鱗に触れると容赦なく炭鉱送りにされるという政情から、炭鉱スコアと名付けられた。
余談 Jリーグでの炭鉱スコア
2021年3月27日、アルビレックス新潟対東京ヴェルディの試合にて、新潟がヴェルディ相手に7-0で大勝するという事件が発生。
(※練習試合等ではなくリーグ公式戦での出来事)
ヴェルディ選手が試合後、炭鉱送りにされて行方不明になるのではないかと心配されたが、特にそんなことはなかった。
当時東京ヴェルディの監督であった永井秀樹氏は試合後のコメントにて、「ファン・サポーターの皆さんの応援に応えることができなかったことが、非常に申し訳ない。大変くやしく思います。もう一度、この1週間で必ず巻き返したいと思いますし、そのための時間にしたいと思っています。また、前を向いていきたい。」とコメント。実際次節水戸ホーリーホック戦では2-1で勝利している。
(※なお永井秀樹氏は2021年シーズン途中、選手やスタッフに対するパワハラ問題で解任されている)
(※また2021年シーズンの東京ヴェルディは12位フィニッシュで、ヴェルディらしさを全面に発揮してくれた)
8-0 サウジスコア
8-0、サウジスコア(サウジアラビアスコア)
2002年6月10日に行われた日韓ワールドカップグループリーグ最終節にて、ドイツがサウジアラビア相手に前半4得点、後半4得点と圧倒的差をつけて勝利。
なおドイツのミロスラフ・クローゼ選手はワールドカップ通算得点ランキングで1位(16得点)となっているが、うち3点はこのサウジスコアにて生まれたもの。仮にこの3点がなかった場合は4位タイまで下落。1位はフェノメーノ(=怪物)と名高く、髪型が特徴的であったブラジルのロナウド(15得点)がトップとなる。
余談 Jリーグでのサウジスコア
2019年8月17日、清水エスパルス対コンサドーレ札幌戦にて、サウジスコアが発生。
また2021年11月6日、横浜F・マリノス対FC東京戦でもサウジスコアが発生。
00年代であれば大分が神戸相手に8-0で勝利するなど、意外と発生しないこともない。
9ー0 サカつくスコア
9-0、サカつくスコア。
SEGAよりリリースされた”プロサッカークラブをつくろう”というゲームでは、ゲームの仕様でどれだけ頑張っても10点以上取ることができない(=最大でも9-0勝利しかできない)ため、サカつくスコアと呼ばれるようになった。
なお1990年代にマンチェスター・ユナイテッド対イプスウィッチ・タウンFCの試合にて、実際に9-0という試合が発生している。
また日本においてはキリンチャレンジカップ 2019年 U-22日本代表対U22ジャマイカ代表の試合において、ジャマイカ相手に9-0で勝利する事案も発生している。
10-0 フェイエスコア
10-0 フェイエスコア。
オランダの名門フェイエノールトが被った悲劇のスコア。
2010年10月24日、リーグ戦にてPSVアイントホーフェンと対戦。フェイエノールトは前半時点で0-1かつ退場者を出す。以降も事態は一切好転せず、最終的には10-0でフェイエノールトが敗戦する結果となった。
11-0 サンマリノスコア
11-0 サンマリノスコア
2010年9月3日、EURO2012年予選のオランダーサンマリノの試合において、オランダが11得点をして大勝した試合。
5-0夢スコといい、10-0フェイエスコアといい、記録には何かとオランダが絡みがち。
12-0 トヨタスコア
12-0 トヨタスコア。
2014年7月12日に行われた天皇杯2回戦名古屋グランパス対トヨタ蹴球団の試合にて、グランパスが12得点して圧勝(というより虐殺)した試合。
天皇杯はアマチュアでも参加できる都合上、アマチュアクラブがプロクラブにボコボコにされる事態はそこそこ発生するのだが、12-0?そうはならんやろ。
13-0 医大スコア
13-0 医大スコア。
天皇杯1回戦、ブラウブリッツ秋田(当時JFL)対山形大学医学部サッカー部との試合。秋田が医大サッカー部相手に13-0で勝利。こちらも先程のトヨタスコアと同様、天皇杯で発生した事案。
天皇杯とはいえまだ1回戦のため、プロクラブと直接当たることはない。実際この試合も秋田県代表対山形県代表の試合だが、大人の強さを医学生に叩きつける結果となった。
(なおブラウブリッツ秋田は2014年からJ3へ昇格している)
その他の記録的な試合
挙げ始めるとキリがないため、ここからは印象に残った、もしくは記録的すぎる内容のみを記述。
13-1 一三スコア
2019年11月24日、J2リーグ公式戦において発生した”大事件”。
柏レイソル対京都サンガF.C.の試合は、柏が13-1で大勝(医大スコア未遂)となった。
この試合でオルンガ選手は8得点、クリスティアーノ選手は3得点と、ハットトリックを2人出す事態に。この13ー1の記録的スコアに加え、当時京都の監督は中田一三(なかたいちぞう)氏であったことも相まって、一三スコア(いちぞうスコア)と呼ばれるようになった。
何があったのか
第41節を終えて当時の京都は7位。昇格プレーオフラインは6位。
昇格プレーオフ進出のためには少なくとも敗北は許されない。他クラブの試合によっては引き分けで進出できないこともないが運否天賦。勝ったとしても進出できない可能性はあるが、プレーオフ進出の可能性を少しでも上げるには勝って天命を待つのが一番の近道。
“是が非でも欲しい勝ち”が最終節の第42節、柏レイソル戦だった。
なお京都は42節を前にしてDF陣に故障者が発生しており、当日の控えにもDFは大卒ルーキー1人を置くのみだった。
試合は前半柏4-1京都となるが、京都は前半のうちにDFが負傷交代、前半終了間際にCB(闘莉王)が負傷し、ハーフタイム中に本職CBではない選手が投入されるなど、明らかにカードが足りていない状態。
引き分け以上に持ち込むためには最低でも3点以上が必要で、後半攻勢に出るもことごとく跳ね返され、その度にカウンターを喰らい撃沈。
最終的には柏シュート数25(枠内18)、京都シュート数18(枠内8)の乱打戦となったが、拙攻を好守で防ぎ、カウンターによる決定機を確実にものにした柏が大勝する結末となった。
14-0 本田スコア
2019年10月10日カタールワールドカップアジア2次予選にて、本田△こと本田圭佑氏が実質的な監督を務める(厳密には監督は別で存在しているが、試合の際は本田氏が指揮を執る)カンボジア代表がイランと対戦。結果は14-0の大敗。
かの本田さんとは言え、流石にイラン相手は格上過ぎたか…。
53-0 グンマースコア
2015年高円宮杯U-18群馬県3部、桐生第一高校対ぐんま国際アカデミー高等部の試合において、桐生第一が53ー0で勝利するという事案が発生。
日本国内の記録においては、公式戦での最大得点差となった。
なお2022年5月21日、新潟県高校総体女子サッカーの長岡帝京高校対国際情報高校の試合において、帝京が52-0で勝利する事案も発生。
グンマースコアには一歩及ばず。恐るべしグンマ。
八百長スコア79 + 八百長スコア67
2013年7月、サッカー界に激震走る。
ナイジェリアのプラトーユナイテッド対アクルバFCの試合において、プラトーユナイテッドが79-0で勝利する大事件が発生。
また先程の試合の裏で行われていたポリスマシンFC対ブバヤロFCの試合は、67ー0でポリスマシンが劇的な大勝利を収めた(棒読み)。
昇格をかけた八百長
79点で勝ったプラトーユナイテッド、そして67点で勝ったポリスマシンFCは、全国リーグ昇格を争うプレーオフにて勝ち点で並んでいた。つまり昇格には、次節勝利して相手が引き分け以下である必要がある(引き分けなら相手が負ける必要がある)。
勝ち点が並んだ場合は得失点差が考慮されるため、両チームがあからさまな八百長を仕組み、大本営でも発表しないような大馬鹿試合(八百長)が繰り広げられた。
その後
当該試合に関わった4クラブ(対戦相手含む)に対して資格停止処分が下された。
★プラトーユナイテッド(79得点で勝ったクラブ)※リンク先はプラトーユナイテッドのTwitterアカウント
資格停止後も活動が再開されたのか、2017年にナイジェリアプロフットボールリーグ(ナイジェリア国内最上位リーグ)にて優勝している。
★ポリスマシン(67得点で勝ったクラブ)※リンク先はポリスマシンのFacebookページ
資格停止後も活動が再開されたのか、Facebookにてサッカー活動の近況を2019年~2020年頃まで行っていた。
なお2020年頃からよく分からん仮想通貨だの外貨両替の業者にページを乗っ取られたのか、サッカーに関する投稿はされなくなった。
2023年現在、NLO(Nationwide League One = ナイジェリア3部)公式ページで検索をかけたらポリスマシンの選手は登録されている模様。
(※Twitterにて Police Machine FC ABUJAで検索すると恐らくポリスマシンを示す内容のツイートが見受けられる。内容はポリスマシンとの対戦相手が試合中に試合放棄したという旨)
★ブバヤロFC(67失点したクラブ)
オーナー都合によりチームは解散
チームは解散
79-0、67-0、ありえぬスコア、ナイジェリア国内リーグの異常…八百長の泥沼か
4チームの選手や関係者だけでなく、審判団やボールボーイまで…。八百長とすれば、一体、どれだけの人間が関わっていたのだろう。今回の試合を受け、ブバヤロFCのオーナーはチームを解散することを決めたという。
※記事が削除された際に備えて一部書き起こし及び引用
★アクルバFC(79失点したクラブ)
詳細不明。トランスファーマーケットでも、Twitterで検索をかけても例の件以外の投稿が見受けられなかった。この感じであれば恐らくチーム解散に近い状態だろうが、確証はない。
149-0 激おこスコア
2002年10月29日、マダガスカルサッカーリーグの決勝ラウンド第3戦にて発生した悲劇。
ASアデマ対SOレミルヌの試合は、149ー0でASアデマが勝利している。
(※1試合90分の場合、約36秒に1点入れることが出来れば149-0のスコアとなる。)
抗議の故意失点
マダガスカルリーグはグループリーグを勝ち抜いた4クラブによる総当りでリーグ王者が決められる。SOレミヌルもグループリーグを勝ち抜いたクラブの1つ。
決勝ラウンド第2節にてレミヌルが引き分けたことにより、最終節を待たずしてASアデマの優勝が確定していた。ただこの第2節において、レミヌルは議論の余地のあるPK判定を下され引き分けとなってしまったことから、審判ふざけるな!監督激おこ案件として、最終節で意図してオウンゴール連発を監督が指示した。そのため149-0という恐らく今後二度と打ち立てられないような記録が”作り出された”。
(※なお同試合は最大得点差の試合としてギネス登録されている)
2-2 スコアレスドロー
スコアレスドロー
英語:scoreless draw点数を取り合う形式のスポーツの試合において、両者・両チームともに点数を取れず0-0で終了することを意味する語。
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC
スコアレスドローとは、両チーム得点することなく0-0で試合を終えること。
じゃあ2-2でスコアレスドローはおかしいだろと思うかもしれないが、この語源は田中隼磨選手のブログにある。
2005年10月17日のブログ記事にて、”今日の試合は2-2のスコアレスドロー“と書いたことにより一部サポーター間で盛り上がり、現在でも定期的に掘り返される。
なお2015年、新潟対神戸の試合中継においてNHKアナウンサーが2-2をスコアレスドローと発言する失態を犯したりした。
やっぱ2-2はスコアレスドローなんや!田中選手は間違ってなかった!
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